Diary 2017. 1
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1月1日 (日)  悪夢のような年明け

イスタンブールは、悪夢のような年明けを迎えてしまった。

深夜の1時半頃、オルタキョイのナイトクラブが銃撃され、朝8時10分現在、死者は39人、その内の16人が外国人と伝えられている。

犯人は逃亡した模様で、未だ背後関係等は殆ど明らかになっていない。

写真は、先ほど、8時15分頃に家の窓から撮ったイエニドアンの街の様子。もちろん、平穏そのものだが、どんよりした天気に何やら忌まわしい雰囲気を感じてしまう。


*自己紹介欄のメールアドレスは既に使えなくなっているので、私(新実誠)へのお問い合わせは下記のアドレスにお願いします。↓

makoton1@hotmail.co.jp

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1月2日 (月)  夜明け

元旦の昨日、イスタンブールは、終日曇天で、時折、雪や雨がちらついていた。

今朝は晴れて来たので、日の出の写真でも撮ろうかと思って、“サファ・テペスィ(喜びの丘)”に登ってみたけれど、東の方は、地平に霞がかかっていて、大分明るくなるまで待っても、太陽の姿を捉えることはできなかった。

トルコは、昨年から、夏時間のままで、冬時間には戻さなくなってしまったので、夜明けがとても遅くなっている。

左の写真が8時ちょうどぐらい、右の写真でも、8時15分ぐらいだったのではないかと思う。もう少し待っていれば、陽が顔を出したはずだが、大した写真が撮れるわけでもないから、諦めて丘を降りた。

夏時間の通年適用には、反対の声も多い。「出勤時間に未だ真っ暗というのは気分が良くない」という声があちこちで聞かれる。

トルコは東西に長い国なので、東の方へ行くと、日の出も1時間ほど早まり、7時には少し明るくなっているため、「これで良いじゃないか」と歓迎されているそうだが、イスタンブールの人たちは、「人口比を考えなさい」と反論している。

まあ、北欧に行ったら、日中明るいのは、ほんの3時間ぐらいなんて所もあるという。それを考えたら、遥かに余裕のある議論かもしれない。


2014年5月17日(土)イエニドアンの夜明け
http://www.neo-pro.jp/makoto/tayori/diary/diary.cgi?mode=read&page=10&y=2014&m=5

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1月3日 (火)  ナイトクラブ襲撃で犠牲になった方たち

オルタキョイのナイトクラブ“レイナ”の事件、犠牲者に外国の方が多かったため、「キリスト教徒が標的にされた」という説も出ていたが、サウジアラビアの人が7人もいたりして、犠牲者の大半はイスラム教徒のようだった。

西欧出身の犠牲者は、カナダ人1人、ベルギー人1人と発表されている。そもそも、昨年来、トルコを訪れる外国人旅行客の多くは、中東や北アフリカ、あるいはロシアからであり、西欧の人たちは殆ど来なくなっていた。

サウジアラビアなど戒律に厳しい国の人たちが、自国では叶わない飲酒等の娯楽を楽しむために、トルコを訪れていたのは、以前から良く知られていた。私が初めてやって来た91年にも、イスタンブールではそういった人々を目にすることができた。

94年の夏だったか、トルコの雑誌で、イスタンブールを訪れていたサウジアラビアのヤマニ元石油相のインタビュー記事を読んだ。

ヤマニ元石油相は、毎年夏になると、自家用の豪華クルーザーで家族と共に、イスタンブールへやって来たそうである。なんでも、トルコの有名な女性歌手の大ファンであり、彼女のコンサートを観るのが目的の一つになっていたらしい。

雑誌には、英国に留学中という娘さんの写真も掲載されていた。なかなか美人で、半袖のシャツにジーンズという軽装だった。


*写真:カドゥキョイ(1月3日)

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1月4日 (水)  ショッピングモールの警備員

現在、トルコで民間の警備員に拳銃の携帯が認められているのは、銀行などの限られた施設だけらしい。そのため、襲撃されたナイトクラブの警備員は拳銃を携帯していなかった。

カラシニコフを乱射しながら突入してきた襲撃犯に、拳銃での対抗が可能だったとは思えないが、ナイトクラブやショッピングモール等の警備員にも拳銃の携帯を認めるべきではないかという議論が起きている。

トルコでは、もう随分前から、ショッピングモール等の入り口に、空港で見られるような、手荷物を調べるための検査機が設置されていて、来客は警備員の指示に従い、全ての手荷物をこの検査機に通さなければならない。

しかし、空港の警察官と異なり、警備員は何の武器の携帯していないので、ナイトクラブと同様の襲撃を受けた場合、防ぎようがないと言うのである。

確かに、検査機のモニターで、スーツケースに隠されたカラシニコフが確認できたとしても、拳銃を構えた襲撃犯に、「そのスーツケースを寄越せ!」と脅されれば、それまでじゃないかと思う。

そもそも、ショッピングモールの警備員たちは、そういう事態を想定した教育なども受けていないだろう。何処のショッピングモールでも、全く緊張感のない和気藹々とした警備が行われている。モニターにカラシニコフが映し出されたりしたら、警備員が真っ先に逃げ出してしまうかもしれない。

昨年の12月26日、メジディエキョイで雨に降られ、地下道を通って行ける“トランプ・ショッピングモール”に入ろうとしたところ、やはり警備員らは和気藹々とお喋りしながら、“警備”に勤しんでいた。

検査機のモニターの前に座っている奴も、お喋りに夢中で、しっかりモニターを確認しているのかどうか解ったものではない。

『おいおい、非常事態宣言中だぞ。ちゃんと仕事しろよ!』と思いながら、検査機から出て来たナップザックを取って、そのまま行こうとしたら、お喋りをしていた警備員に呼び止められた。

振り向くと、警備員は、「これ、お忘れですよ」と微笑み、折り畳みの傘を差しだしてくれた。ナップザックと共に傘も検査機に通して忘れていたのだ。

心の中でぶつくさ言っていたため、なんだか恥ずかしくなって、丁重に礼を述べて傘を受け取った。お喋りはしていても、仕事は疎かにしていなかったようである。


*写真:
今日(1月4日)のスルタンアフメット。ヒポドロームにいたのは中国の団体で、「チェンドゥーから来た」と言われて良く解らなかったけれど、調べてみると、どうやら“成都”のことらしい。アヤソフィアの前の団体は、韓国の人たちだった。最近は、観光客の姿を見ると、何だか嬉しくなってしまう。

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1月5日 (木)  雨の多いイスタンブール

この冬のイスタンブールは、嫌になるくらい雨の日が多い。私のような暇人はともかく、毎日通勤通学しなければならない人たちは大変だろう。

忌まわしい事件が続いて、世相が暗くなっているので、天気ぐらい爽やかに晴れてもらいたいが、自然が相手では文句も言えない。

今日も朝から、相当な雨量があったのではないかと思う。午後になって、少し晴れていたけれど、日が暮れて、また降ったりやんだりである。

明日も雨、土曜日は雪という予報が出ている。


*写真:雨のウスキュダルと、午後になって少し晴れ間がのぞいたシルケジの辺り。(1月5日)

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1月6日 (金)  ナイトクラブ“レイナ”

襲撃されたナイトクラブの“レイナ”には、2005年の夏、マルマライの工事現場の人たちと出かけたことがあった。

日本から出向していた職人の親方やトルコ人作業員の面々であり、「7月15日クーデター」で兄弟を失ったオカンも来ていた。↓

2016年9月16日(金)私の友人家族のもとを訪れたエルドアン大統領
http://www.neo-pro.jp/makoto/tayori/diary/diary.cgi?mode=read&page=10&y=2016&m=9

レイナは、中央部分が露天になっているナイトクラブで、新年祝い等のイベント以外は、夏季のみの営業だったような気がする。

露天部分の正面にはステージが設置されており、そこに有名な歌手なども登場していた。客は歌を聴きながら、ステージ前のエリアでダンスに興じることもできる。

露天部分を取り巻く周辺には、高級レストランの出店がいくつもあって、2005年の当時は、日本料理店も入っていた。

料理店の友人に、「敷居が高そうなんだけれど・・」と訊いたら、「ちょっと料金高めの“屋台村”だと思って、楽な気持ちで来てください。システムはほぼ同じですから・・」と説明してくれた。

職人の親方は、上半身一面に見事な刺青を入れているため、夏の暑い日でも、必ず長袖を着て、周囲に気を使っていたけれど、レイナへ行った時は、長袖の下に膝ぐらいまでのズボン、サンダル履きという出で立ちだった。

店の前まで来て、高級そうな雰囲気に驚いた親方は、「こんな格好で入って良いの?」と苦笑いしていた。私ら一行をのぞいて、他のトルコの人たちは、皆、派手にドレスアップして来ていたからだ。

事件のあった新年パーティーには、外国人客もたくさん来ていたようだが、通常、今も昔も客の大半を占めているのは、トルコの人たちじゃないかと思う。


*写真:
昨日(1月5日)のカドゥキョイの様子。木曜日の夕方未だ早い時間(7時頃)で、雨もちらついていたから、酒場の入りは、これぐらいでも上出来だろう。週末、天気が良ければ、もっと賑わうに違いない。

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1月7日 (土)  イスタンブールは大雪

昨冬は、なんだか雪の当たり年だったような気がするので、『今冬は余り降らないだろう』と期待していたけれど、今日はとうとう大雪になってしまった。

2015年は2月の後半になってから、記録的な大雪が降ったものの、昨冬よりは雪が少なかったのではないかと思う。(もっとも、私はあの冬、年末から年始にかけて一時帰国していたが・・・)

2013年から2014年にかけての冬は、雪どころか雨も余り降らず、渇水の危機が騒がれていたくらいだ。そのため、『雪の当たり年が2年続くことはない』なんて、なんの根拠もない期待を抱いていたのである。

雪は昨日の夜半から降り始め、今日の午後3時半現在まだ降り続いている。イスタンブール市内は、既に各所で交通が麻痺して、大変なことになっているらしい。

とはいえ、特に何の用事もない私は、写真を撮りに玄関先まで出ただけで、朝から家に引きこもったまま、時折、窓の外を見て、『凄い雪だ』などと唸っている。まったく暢気な話で申し訳ない。

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1月8日 (日)  最後の悪あがきなのか?

4日ほど前、ネットでニュース専門局の番組を観ていたら、コマーシャルに入ったので、他局に切り替えたところ、ちょうど元MIT(国家情報局)のジェマル・アルパスラン・エルトゥーという人物が、テロ事件の背景について話していた。

エルトゥー氏によれば、テロの続発は、トランプ時期大統領の就任とも関連があるらしい。

トランプ氏が、ロシアや中東に対する政策を大きく変革させようとしているため、「以前、トルコでも同様のことが起こったように、この変革を好まない“アメリカのシステムの深層”の一部が、就任までに色々なことを仕掛けている」と言うのである。↓

https://www.youtube.com/watch?v=3r-BvNvTLnE

この局は、AKP政権寄りで、かなり国家主義的な傾向も窺える。(それほどイスラム的ではない) 『ふーん、なんだか眉唾のような』と思いながら耳を傾け、コマーシャルが終わる時間を見計らって、また観ていた番組に戻ったので、それっきりになっていた。

ところが、一昨日、アメリカの情報機関が、「大統領選に纏わるサイバー攻撃は、プーチン大統領の指示」と断定したという記事を読んで、また『ふーむ』と唸ってしまった。

こちらも相当に“眉唾”くさい。「プーチン大統領の指示」だなんて、いったいどうやって確認したのだろう? なんとなく、エルトゥー氏の語る「最後の悪あがき説」が一理あるのではないかと思えて来た。

それで、また検索して、上記の“YouTube”のクリップを見つけ、エルトゥー氏の発言をもう一度聴いてみたけれど、理路整然と語っていて、なかなか信頼が置けるような気もする。

いずれにせよ、「トランプが大統領になれば、少しは良い方向に変わるだろう」というポジティブな意見なので、聴いて嫌な気持ちにはならない。そうなってもらいたいと願いたくもなる。

トルコに限らず、中東の各所で、『いくらなんでもオバマよりはまし』というトランプ待望論が聞かれるそうだ。

トルコでは、『トランプが就任するまでの間に、未だ何か起きるかもしれない。トルコへのテロ攻撃か? トランプの暗殺か?』などと疑心暗鬼になりながら、固唾を飲んで見守っているという雰囲気さえ感じられる。


*写真:
今はカモメの多い季節なんだろうか? 左:カドゥキョイ(1月3日) 右:ガラタ塔(1月4日)

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1月9日 (月)  陰謀と情報操作

所謂“陰謀説”みたいなものは、大概、少し“眉唾”で聞いておくべきじゃないかと思うけれど、かつて南米などで起こったクーデターやテロの中には、既にCIAの謀略が露見してしまったものも少なくないという。

しかし、アメリカの内部で暴露されない限り、弱小国側が証拠もないのに騒ぎ立てたところで、事態は悪化するだけだから、なるべく取り沙汰しない方が良かったのかもしれない。

欧米は、自分たちの都合に合わせて、情報操作を行って来た可能性もあるが、こちらも弱小国が対抗する術はなかったような気がする。

「SNSによってもたらされた“アラブの春”」なんて話が、一時期喧伝されていたものの、主だったSNSは全て欧米の資本によるものであり、SNSが「持たざる者の武器」に成り得ないのは、何処から見ても明らかだろう。

トルコも、「ISから石油を買っている」などと暫くの間、各国のメディアで叩かれていたけれど、昨年末、CIAは「誤情報だった」として正式に謝罪したらしい。とはいえ、これも何だか不気味な話である。

2015年12月13日(日)ジエリスタンのテロリスト?/16日(水)トルコはISから石油を買っているのか?
http://www.neo-pro.jp/makoto/tayori/diary/diary.cgi?mode=read&page=10&y=2015&m=12

欧米のトルコに対する情報操作は、100年前の「アラビアのロレンス」やクルド問題等をはじめ、以前から執拗に続けられて来たような気もする。欧米の一部には、オスマン帝国が完全に解体されず、トルコ共和国となって歩み続けた事実を未だに納得していない気持ちが残っているのかもしれない。

2016年9月8日(木)アメリカが国家を持たせたい最大の民族
http://www.neo-pro.jp/makoto/tayori/diary/diary.cgi?mode=read&y=2016&m=9

2015年3月15日(日)映画“ミッドナイト・エクスプレス”の俳優
http://www.neo-pro.jp/makoto/tayori/diary/diary.cgi?mode=read&page=10&y=2015&m=3

こういった例に比べれば、「エルドアンは独裁者」なんていう誹謗中傷は、まだ可愛らしい部類だが、これも、あの手この手を使って執拗に繰り返されてきた。

圧倒的な情報量で、これをやられると、少々“眉唾”で聞いていた人たちも、『火のない所に煙は立たない』と思い始めてしまう。

大量の情報を発信できないトルコのような国は、せいぜい自国内で対抗処置を取るくらいだ。そして、また「言論弾圧」などと非難されたりする。

確かに、行き過ぎた“対抗処置”もあるから、非難されても仕方がないだろう。技術力と経済力を養い、民主主義を発展させることが、最良の“対抗処置”であるかもしれない。


*写真:シルケジの中央郵便局(1月5日)

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1月10日 (火)  イスタンブール大雪

(1月9日)

金曜日の夜半から降り始めた雪、昨日の日曜日は降ったりやんだりだったが、今日(1月9日)、またさらに勢いが増したかのように降り続いた。

現在、こちらの時間で、1月9日の19時半、小降りになったものの、まだやむ気配を見せていない。今日に続き、明日(1月10日)も学校は休みになるそうだ。

スチーム暖房が効いて、今のところ、部屋の中は暖かいけれど、積雪による不具合で、停電になったりしたら恐ろしい。うちのガス湯沸かし器は、電気が来ないと作動しないからである。

予報では、今晩中に雪はやむらしい。しかし、交通等の問題は、明日も続きそうな気がする。

写真は、16時頃に、窓から撮った。道路を歩いている人たちも大変だろう。私は、今日も家に引き籠ったままだった。

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