Diary 2012. 3
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3月1日 (木)  長い冬

3月になったけれど、冬は未だ終わる気配を見せません。イスタンブールは今日も雪が降っています。この冬は、寒くなり始めるのも早かったから、とても長く感じられてうんざりです。雪も見飽きました。春はいつ来るのでしょう?

写真は、先週の金曜日にイスティックラル通りで撮りました。この日はちょっと暖かくて、『もう冬も終わりだろう』なんて思っていたんですが・・・。

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3月5日 (月)  鯖サンド禁止!

昨日、カドゥキョイへ出た折、久しぶりに鯖サンドが食べたいと思って、船着場の前にあるビュッフェに寄ったら、「鯖サンド? カドゥキョイでは禁止されたからやっていないよ。えっ? もう二ヶ月ぐらい経つんじゃないかなあ。知らなかったの?」と言われてびっくり。

そういえば、最近、船着場の辺りで鯖を焼く匂いが漂っていなかった。鯖サンドは、わざわざ食べに行くと言うより、あの焼く匂いに誘われて、つい食べてしまうものだから、匂いが漂わなくなって以来、その存在を忘れていたかもしれない。

ビュッフェのおじさんによれば、この焼く匂いが問題になったらしい。もちろん、屋内のレストランでは禁止されるはずがないから、少し離れたところにある魚レストランまで行って、ちょっと高い鯖サンドを食べて来た。

それから、自称“共産主義者”の友人アリと会ってビールを飲みながら、「なんで禁止するの?」と文句を言ったら、彼の連れで、やはり左翼のジャーナリストだというスキンヘッドの中年男が、「あんな不衛生な食品は禁止されて当たり前だ」と言い放った。

「それじゃあ、鯖サンドだけじゃなくて、ドネルケバブも禁止すれば良いじゃないですか。同じ条件で作っているんだから」
「その通り。本当はあれも禁止しなければならない。ああいう外でやっている店は汚いから全て禁止すべきだよ」

屋台の鯖サンド、ドネルケバブをいつも喜んで食べている私は、以上の発言だけでもムッとしたけれど、このスキンヘッドは、尚も嫌らしく追い討ちをかけて来た。

「そもそも、ドネルのサンドが5リラ(250円ぐらい)で売れるの? そんなもの何が入っているのか解ったもんじゃない。君は5リラのドネルなんて食べる気がするか?」
「5リラ? 高いくらいですね」

そしたら、スキンヘッドは目を大きく見開いて、とんでもないと言わんばかりに手を大きく振ると、席を立って外へ出てしまった。

「なにあれ? 安いドネル食べている貧乏人とは席を共にしたくないのか」とアリに訊いたら、「いや、奴さん、さっきから外の席で飲んでいる女性に目をつけていて、さかんに誘おうとしているんだ。それでまた声をかけに行っただけさ。気にするなよ」という次第だそうだ。なかなか頼もしい左翼のジャーナリストである。

彼が日本へ行って牛丼屋を見たら、「こんな値段で何が入っているのか解ったもんじゃない」とか言って、反“安い牛丼”キャンペーンでも繰り広げるかもしれない。無事にトルコへ戻って来れるかどうか解らないけれど・・・。

イスタンブールの区政の多くが、与党AKPの手に落ちた今でも、左派の牙城と言われるカドゥキョイ区は、相変わらずCHPが区政を担っているものの、彼らがあのスキンヘッドと同じような発想で鯖サンドを禁止したのだとしたら、非常に残念な気がする。

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3月7日 (水)  イスタンブールの地下鉄駅

イスタンブールに本格的な地下鉄は未だ一路線しかありませんが、イスタンブールは起伏の甚だしい都市なので、一部の地下鉄駅は非常に深いところにあります。

写真の長いエスカレーターは、メジディエキョイ駅だけれど、オスマンベイ駅のエスカレーターも負けじと長いです。タクシム駅は若干短いかもしれません。

私は特に体の具合が悪くなければ、こういった長いエスカレーターを使わずに、横の階段を駆け上がることにしているので、若干の長さの違いも気になります。タクシムは楽勝、メジディエキョイはかなり息が切れます。

韓国はソウルの地下鉄駅にも、同じような長いエスカレーターがあって、やはり階段が併設されていました。88年当時のソウルでは、私みたいに階段を駆け上がる連中が結構いたけれど、イスタンブールでは滅多に見かけません。エスカレーターを行く人たちは、階段を駆け上がる私を不思議そうに眺めるばかりです。

もう二枚の写真は、レヴェント駅。この駅に長いエスカレーターはないけれど、壁のモザイクがなかなか素敵じゃないかと思います。

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3月9日 (金)  ヴァン女性デングベジュ・コンサート

昨日は、国際女性デーを祝してミマル・シナン大学で開催された“ヴァン女性デングベジュ・コンサート”を観てきました。

デングベジュというのはクルド語で“吟遊詩人”(トルコ語のオザン、アシュク)を意味するそうです。

4人の女性デングベジュが舞台に上がりましたが、プロの歌手はエリフさんという若い女性だけで、後の方たちは家庭の主婦として働きながら、デングベジュの活動も続けている50〜60代?の女性でした。

その中心となっているのはガズィンさん。ガズィンさんはタトゥヴァン県の村に生まれ、家族の殆どがデングベジュだったので、幼い頃から歌に慣れ親しみましたが、14歳で嫁いでヴァンの市内に越してからは、婚家で女性が歌うことは許されなかった為、暫く人前で歌えず苦労したものの、5人の子供を育てながら、こっそりイスタンブールまで出かけて自分の歌をテープに吹き込むなどデングベジュとしての活動を続け、後には舅を説き伏せて、公然と歌うようになったばかりか、2010年には、かつての自分と同じような状況で歌えずに苦労している女性たちへ手を差し伸べようと、“ヴァン女性芸術家協会”を設立、現在に至っているそうです。

コンサートでは、まずミマル・シナン大学の関係者が挨拶に立って、ガズィンさんを紹介、ここまではトルコ語でした。それからガズィンさんにマイクが渡されると、ガズィンさんは、クルド語で延々10分ぐらい話し続けたけれど、時々、熱弁に間をおいたりすると、聴衆から一斉に拍手が鳴り響き、中には口笛を吹いたりする人もいます。

私は『聴衆の殆どはクルド語が解っているんだろうか?』と訝しげに思いながら、満場の拍手でガズィンさんのお話が終わった後、隣で熱狂的に拍手していた女性に、「貴方はクルド語が解るんですか?」と尋ねたら、彼女は「少しだけです」と恥ずかしそうに笑っていました。

写真は熱唱するガズィンさん。エリフさんが歌い始めると聴衆は輪になって踊り始めました。

以下は、ガズィンさんの歌が聴ける“YouTube”です。

dengbêj gazin
http://www.youtube.com/watch?v=jUIEf7uUDWw

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3月16日 (金)  鯖サンドも濡れる街角

もう一週間ほど経ってしまいましたが、小雨ふる中、カドゥキョイの船着場に出た時のことです。

船着場付近のビュッフェでは、鯖サンドが禁止されたはずなのに、何処からか鯖を焼く匂いが・・・

辺りを見渡したところ、ビュッフェの近くに小さな屋台が出ていて、もうもうと煙をあげながら鯖を焼いています。

「おっ!」と思って、カバンからデジカメを取り出していたら、屋台は、突然動き始めてしまい、巧く撮ることができません。逃げる屋台の後を追うと、近くの建物の軒下まで行って、また営業を再開しました。どうやら、雨が激しくなった為で、公安の取締りから逃げようとしたわけじゃなかったようです。

そもそも、軽装備な屋台とはいえ、あれを移動させながら逃げ切るのは無理でしょう。しかし、捕まって屋台を没収されたとしても、甚大な損害にはならないという計算があって商売しているのかもしれません。

いくら禁止しても、鯖サンドを求める人々がいる限り、こういうゲリラ屋台まで取締るのは、なかなか難しいように思えました。

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3月17日 (土)  池袋の“たこ焼き屋”

東池袋に住んでいた時分だから、90年頃じゃないかと思いますが、一時期、池袋駅の東口からサンシャインビルへ向かう通りの一角に“たこ焼き”の屋台が出ていて、私も時々そこで買い食いしていました。

ある晩、その屋台の前を通りかかって、買おうか買うまいか迷っていると、屋台のおじさんは“たこ焼き”を焼きながら、「いらっしゃい!」などと愛想を言ってたけれど、その時、何か屋台の後ろの方で物音がして、突然、屋台の明かりが消えてしまったのです。

私は『あれ? 電源でも落ちたかな?』ぐらいに思いましたが、おじさんは先ほどまで見せていた愛想の良さが信じられない凄まじい形相で「てめえら、なにしやがんだ!」と怒号を上げ、屋台の後ろの方からも、「ふざけるな! この野郎!」という、もっとドスの利いた怒鳴り声が返ってきます。

しかし、『すわっ! テキヤ同士の抗争か?』と興奮したのも束の間、屋台の後ろから、怒鳴り声の主が姿を現して、事態は明らかになりました。怒鳴り声の主は警察官でした。

良く見ると、屋台の後ろには、既に警察のワゴン車が横付けされており、数人の警察官が出てきて、どんどん屋台の道具をワゴン車の中へ放り込んで行きます。おじさんは最初の威勢も何処へやら、呆然とした様子で、自分の屋台が片付けられてしまうのを眺めていました。

屋台が片付けられ、おじさんも連行されてしまうまで、数分の出来事だったと思います。当時、池袋の辺りでは他にいくつも屋台は出ていたような気がするのに、何故、あの屋台だけで取締られてしまったのか、その理由は全く解りません。

最近は、暴排令などと言うものが出されて、お祭りでもテキヤ系の屋台は出店が難しくなっているそうです。そのうち、テキヤさんがいなくなって、上記のような捕縛劇はもう見られなくなってしまうのでしょうか? それも何だか寂しい気がします。

暴排令を排せ【1】水清ければ魚棲まず
http://www.mxtv.co.jp/nishibe/archive.php?show_date=20120225



3月18日 (日)  トルコの養蜂

先週、エーゲ海地方のアイドゥン県に出かけて、 “Beeミュージアム”というテレビ番組の取材で、2009年の6月に東部のアルトヴィン県を訪れて知り合ったメフメット・ジェイランさんと再会しました。

メフメットさんは、テマ財団という環境保護団体の職員で、当時は、グルジアとの国境に接するアルトヴィン県で、養蜂の指導とコーカサス種ミツバチの繁殖に取り組んでいたのです。

テマ財団は、トルコ有数のゼネコンであるテクフェン社を創業したニハト・ギョクイート氏らにより、1992年に設立され、浸食を防ぐ為の植樹を始めとして、数々の環境保護プロジェクトを展開しています。

養蜂は、アルトヴィンのような山間部で暮らす人々が、環境を破壊することなく現金収入を得られる手段であり、養蜂家の育成は、テマ財団の重要な活動の一つです。

メフメットさんは、アルトヴィンで3年ほど働いた後、故郷のアイドゥン県に戻って、現在はここで新しいプロジェクトに取り組んでいます。

それは、エーゲ海地方に特有な“松の甘露蜜”を集めるミツバチの改良・繁殖というものです。

“松の甘露蜜” は、松の樹液を吸ったカイガラムシの分泌物をミツバチが吸って集められる蜂蜜で、90%近くがトルコのエーゲ海地方産と言われています。カイガラムシとミツバチによって2度濾過されているため、糖分が低く、大きなスプーンで掬って食べても、口の中が甘さで飽和状態にならないところが特長だそうです。

“Beeミュージアム”では、アイドゥン県の“松の甘露蜜”も取材していたので、この時に知り合った養蜂家の人たちとも、今回のアイドゥン行きで再会を果たすことができました。これも、私をアイドゥンに呼んでくれたメフメットさんのお陰です。

私は番組の取材に協力しただけなのに、皆から歓待してもらえて感激しました。

写真は、アイドゥンで養蜂を指導するメフメットさん(左側)。

アルトゥヴィンの夜
http://www.neo-pro.jp/makoto/tayori/diary/diary.cgi?mode=read&y=2009&m=6

Beeミュージアム トルコ篇「村おこし!!山あいの養蜂」
http://www.tv-tokyo.co.jp/program/detail/19616_200908281954.html

松のハチミツ
http://kakaku.com/tv/search/keyword=%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%82%B7%E3%81%AE%E4%B8%80%E7%A8%AE/

TEMA
https://www.facebook.com/temavakfi#!/temavakfi?sk=info
http://www.ankaratema.org/

テマ財団は、日本の桜の植樹にも尽力したそうです。↓

日本さくら交流協会
http://sakura-yoko.org/tour/tour02/speech01


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3月19日 (月)  ミレトスのウナギ

アイドゥン市内の大きなスーパーマーケットでウナギを売っていました。

トルコじゃウナギの養殖なんてやっていないから、もちろん天然もの。アイドゥン県のソケを流れるメンデレス川で獲れるそうです。ソケは、いにしえのミレトス。古代ギリシャの人たちもウナギを食べていたんでしょうか?

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3月20日 (火)  イズミルの電車

先週、アイドゥンへ行くのに、イズミルまで航空機を利用しました。イズミルの空港から市内へは、昨年の1月に開通した電車に乗ったけれど、この電車に乗るはこれが初めてでした。

昨年、市内のアルサンジャク駅から空港へ行くのに、この電車を使おうとしたら、当時、アルサンジャク駅では乗車用のプリペイド式カードが販売されていなかった為、乗ることが出来なかったのです。

このプリペイドカードがあれば、電車ばかりでなく、イズミルの市バスや船が利用できて便利とは言うものの、改札は全てカードシステムになっていて、チケットは廃止されているから、肝腎のカードが無ければ、便利なんだか不便なんだか解ったものではありません。

昨年、アルサンジャク駅で、「イズミルに住んでいなければ、そんなカード持っているわけないじゃないか。イズミルは県外から来た人間を差別しているの?」と駅員に抗議したら、ケラケラと笑われてしまいました。

今回は、空港駅の売店でカードを買えたけれど、これがまた、最低でも3回乗車分のポイントが入っているのです。

「往復しか乗らないのに、なんで3回分払わなければならないの?」と訊いたら、売店の人たちも笑っていました。

写真のカード、まだ1ポイント残っています。これが使えるのは、いつのことでしょうか?

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3月22日 (木)  大きなスーパーマーケットが開店!

近所で大きなスーパーマーケットが開店しました。歩いて10分ほどのところです。

20分以上歩けば、同じくらいの規模のスーパーがあるけれど、あそこまで買い物に行くと、往路も含めて軽く1時間はかかっていました。この辺の住民にとっては、まさしく待望の開店じゃないでしょうか。

小さな個人商店はどうなるんだと言われそうですが、やっぱり品揃えが良い大きなスーパーは、そこで全部用が足りてしまうから、便利には違いありません。

店内の張り紙を見ると、商品の値段が、“2.99”といったように、皆、99クルシュ単位になっているけれど、今のところ、1クルシュなんてお金は流通していないから、現金で支払おうとすれば、2.99リラは、結局3リラになってしまいます。カードで支払えば別ですが・・・。

うちの直ぐ近くにある小さなスーパーは、最低の通貨が5クルシュであることを考慮しているのか、値段は全て5クルシュ単位。経営者はなかなか真面目な人かもしれません。

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