Diary 2005. 5
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5月8日 (日)  毎晩ビールを1リットル

この前、生活費を切り詰めるために酒は飲まないと言っておきながら、先週は、毎晩ビールを1リットルずつ飲んでいました。それというのも、どうやら、腎臓に結石が生じたようなので、ビールの利尿効果を期待したわけです。

あれは、結石が腎臓から尿管へ下りて来る時に痛むものなんだそうで、私はこれまでに、病院で結石と診察されたことが2回、その他にも、同様の症状を何度か経験しているから、おそらく間違いないでしょう。

月曜日に、血尿が出て痛みを感じたけれど、身体がだるいとか発熱するといった症状はなく、少々乱暴な話ではありますが、勝手に「結石」と診断。しかし、一度、大きな結石が尿管に詰まって、レーザー治療を受けた時の痛みに比べれば、別に騒ぐほどものじゃありません。この程度の痛みでイスタンブールの病院に行った時は、「ビールを沢山飲めば大丈夫」と言われ、その通りに実践して直ったから、今回も、その晩、ビールを1リットルと紅茶をガブ飲みして、寝る前に3回、たっぷり小便したら、翌日は、時々少し痛んだだけ。その後も、このビールと紅茶による治療を続けたところ、昨日にはかなり楽な状態になりました。今週は、もう多めに水分を摂っていればビールまで飲む必要はないでしょう。そうそう飲んでばかりもいられません。


5月9日 (月)  腎臓結石

最初に病院で結石と診断されたのは、91年、初めてトルコへやって来て未だ一ヶ月経つか経たないかという頃。逗留していたイズミルの宿で、金曜日の夜中に激痛で目を覚ましたものの、土日と病院は休んでいるから、「この痛みはいったい何だろう?」と脅えながらも我慢し、月曜日になって宿の近くにある国立病院へ行ってみました。

トルコの国立病院というのは、設備は悪いけれど、診療費も安く、トルコ国民の場合は国民保険のようなもので診療を受けられるとあって、その病院も診療を待つ人々でごった返しており、暫くの間、混雑した廊下などの様子を茫然と眺めてから、ようやく診察室へ。中年の医師は、私が痛む所を示して見せると、他にこれといった診察もせずに、採尿とレントゲンを指示して、また明日来るように言います。翌日、再び訪れたところ、医師はレントゲン写真を見せながら何やら説明し、それから、紙に腎臓から尿管・膀胱に至る部分の絵を描き、尿管に結石が詰まっているのと腎臓が腫れていることを絵によって明らかにした上、メスをふるう動作で緊急手術の必要性を強調したのです。私が驚いて、「もう少し考える」「日本へ帰る」といったことを片言のトルコ語で伝えると、「それでは御自由に」と明らかにムッとした表情でした。

「これはえらいことになった」と思いながら宿へ帰り、診察結果をそこに下宿していたトルコ人学生に伝えると、「この記事を読んでみなさい」と彼が数日前の新聞を持って来たので、早速、辞書を引きながら読んで見れば、これがまた、なかなか衝撃的な内容でした。

トルコの何処だったか地方都市に住む女性が腎臓結石の手術を国立病院で受けたら、一月ぐらいしてまた同じ個所が痛み始めたので、今度は他の病院へ行き、「腎臓結石が再発したのでしょうか?」と医師に尋ねたところ、診察を終えた医師は、「こちら側の腎臓で結石が再発する可能性は全くありません。何故なら、こちら側にはもう腎臓がありませんから」と答えたという話。つまり、国立病院で手術を担当した医師は、結石どころか腎臓そのものを取り去ってしまったわけで、記事では、この医師が臓器売買に関わっていた疑いも指摘されていました。

この内容に、私は思わず愕然となってしまいましたが、記事を持って来てくれた学生が、親切なことにも、色々手を尽くして、腎臓結石のレーザー治療が可能な医院を探してくれたので、翌日、その医院を訪ねて見ることにしたのです。



5月10日 (火)  腎臓結石の続き

結石のレーザー治療を行なうという医院を訪ねて見ると、「順番を待っている患者さんが沢山いるので直ぐには治療できない」と言われ、また別のレーザー治療専門の医院を紹介されたのですが、他の医院を紹介しておきながら、「そこの治療費がどのくらいか解らないけれど、1000ドル以上要求するようであれば、また相談に来て下さい。その時は何とかしましょう」と意味深長なことを言います。帰り際に良く見たら、待合室には次のような注意書きが掲げられていました。「当医院は、申し込み順に治療を行い、この順番を変えることはありません」。

紹介された所へ行くと、直ぐに診察を受け、「尿管が詰まっていて危険な状態だから直ぐに治療しましょう」と言われたので、治療費を尋ねたら、「1100ドル」という答え。その頃は、限度内であれば治療費が全額下りる保険に加入していたから、それほど考えることもなく承諾し、名前やら国籍やら色々なものを書かされてサインしたところ、治療費は「前払い」なんだそうです。「そんな大金は市内の特定の銀行まで行かなければ用意できない」と言っても、涼しい顔して「待っていますよ」。しょうがないから、「危険な状態」をおして、お金を調達しに行き、やっと治療を受けることができました。

結局、こういったレーザー治療の相場がどのくらいであったのかは解らなかったけれど、その後、医院のオーナーが別荘で開かれたバーベキューパーティーへわざわざ招待してくれたところを見ると、1100ドルはちょっと相場より高かったのではないでしょうか。しかし、結石の痛みには厳しいものがあるから、他の患者さんたちも「順番を変えよう」と、どんどん相場を崩していたかもしれません。


5月12日 (木)  続々腎臓結石

結石は、先週で全て落ち切ったかと思っていたら、昨日の昼また痛みだしました。

3週間ほど前より、ちょっと仕事に行っている先のトルコ人たちに、この結石について話すと、トルコでは水の所為か、腎臓結石がやたらと多いことから、少々痛む程度なら病気の内には数えられていないらしく、「ビールをガンガン飲めば落ちる」とか、「水を沢山飲んでから、近所を全力で走れば良い」などと意見されたあげく、「マコト、それジャンプだ」と囃し立てられ、その場でピョンピョコ跳ねてみたけれど、もちろん、そう簡単に落ちるもんではありません。

晩に帰宅してから、改めて水をたっぷり飲み、外に出て縄跳びでもするようにピョコピョコと跳ねていたら、隣家のおばさんが驚いた顔してこちらを見ていました。「とうとうイカレテしまったな」とでも思われたんでしょうか。「街角で跳ねている人を見たら結石と思え」というほどには、この療法も普及していないようです。

しかし、夜遅くに水をたくさん飲んだのは失敗でした。お陰で、夜中に何度も尿意を催して目が覚めてしまったからです。やはり、寝る前には、即効で小便となって流れてしまうビールが一番でしょう。今日はもう痛みもなかったけれど、ダメおしに、またビールを1リットル空けることにします。