Diary 2004. 10
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10月9日 (土)  ボザ

ボザ。辞書を引くと、「大麦などの穀物による練り粉を発酵させた濃厚な甘い飲み物」と出ているけれど、かなりドロリとしていて、飲むというよりスプーンですくって口に運びたくなるような濃度です。しかし、飲食店ではコップに注いで供され、あくまでも飲み物という扱い。甘酸っぱい不思議な味で、少し冷えている方が美味しいくらいですが、夏場は品質が維持できないということで、涼しくなってから売りに出されます。

写真は、「ヴェファー・ボザジュス」という有名なボザの店。1876年創業という老舗で、イスタンブールはヴァレンス水道橋近くの庶民的な街の一角にあり、ボザの他には酢を製造販売していて、夏場はこれのみの営業となります。近所の人たちばかりではなく、遠くからわざわざこの店でボザを飲むために訪れる人たちも多いようで、写真でボザを手にポーズを取っているグループは、ビデオカメラを回して店内の様子を撮影していました。私が彼らを写真に収めると、今度は私のことを撮影、「ボザを飲む日本人」の貴重な映像が撮れたと喜んでもらえたかもしれません。尚、この写真の左上に見えるランプのようなものは、ショーケースになっていて、中にはアタトュルクがここを訪れた際に使ったというコップが一つ恭しく置かれています。

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10月12日 (火)  自然食品の店

写真の店では、トルコ各地から取り寄せられたチーズやオリーブ、蜂蜜などが販売されています。数人が交替で切り盛りしていて、この日は大学生であるという青年が店を任されていました。

経営者と思しき人物も未だ30代前半ぐらいで、どうやら同郷の友人たちと共に事業を展開しているようです。彼は大学院を出たというけれど、店にいる時は他のメンバーと同様に、客の所望するチーズを切ったりしてサービスに努めています。これって日本では当たり前のことかもしれませんが、トルコの場合、まだ余り見られない光景じゃないでしょうか。良い教育を受けてしまった人たちは往々にしてデスクの前から離れたがらないし、ましてや経営者であれば尚更のことです。

彼らはこういった小売ばかりでなく、様々な事業を手がけていて、代表者の彼は結構忙しいはずだけれど、時間が許す限り店に立っています。「何故?」と訊いたら、「市場を知るには、やはり最前線に立たなければ」と言ってました。

ちなみに、彼らはこの店で売っているチーズの一部を日本へも輸出しているそうです。

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10月13日 (水)  ケバブ屋の青年

あの自然食品店の近くにある格安のケバブ屋。写真の白衣を着た青年が一人でケバブを焼いていたけれど、ディヤルバクル出身のクルド人で中学校しか出ていないというこの青年には、ちょっと新鮮な驚きを覚えました。まずは非常に礼儀正しかったこと。こういった所で働いている人たちは大概ざっくばらんな感じなんですが、彼は言葉を選んで丁寧に話します。それから、「新聞などで読んだだけですが」と言いながら、日本のことを実に良く知っていました。それで、持っていた日本の文庫本を見せてあげると、生真面目な表情で数ページ捲ってから、「日本の文字は上から下へ向かって読むんですよね」と、本を正しく持ち替えたのです。数ヶ月前、ある出版社を訪れた際、仏語に堪能なばかりか英語も話すという編集者の女性に日本の本を見せて奇声を発せられた時のことが思い出されます。しかも、この編集者が私を招いたのは、トルコ語から日本語への翻訳を依頼するためでした。それなのに、日本語についての予備知識は、このケバブ屋の青年ほどもなかったわけです。

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10月14日 (木)  陸に上がったサバ・サンド

サバ・サンド舟については、2月14日付けの本欄でも紹介したけれど、現在は御覧のような有様となってしまいました。先月、撤去されたという情報を得てから3日ほど後に様子を見に行った時は、「舟に衛生面での改造を施してからまた戻ってくる」という話を聞くことができてホッとしていたのに、この写真でしょんぼりとサバ・サンドを売っているおじさんからは、「いつ戻って来れますかねえ。2年先か、3年先か。もう舟は売ってしまったんですよ」という力ない言葉が聞かれただけ。全く残念としか言いようがありません。そもそも衛生面に関しては、この状態の方がよっぽど問題であるような気もします。

昨年の日本滞在中には、友人達と連れ立って、久しぶりに(私にとっては、多分15年ぶりぐらい)浅草は場外馬券の裏にある「煮込みの正ちゃん」で一杯やってきましたが、サバ・サンド舟を撤去させた連中にかかったら、この「正ちゃん」も標的にされてしまうかもしれません。

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10月15日 (金)  イスタンブールに停泊中の豪華客船

この15日からトルコはラマダン(断食月)に入っていますが、写真は一週間ほど前に撮ったものでラマダンとは全く関係がありません。こういった豪華客船は何処から来てどういう人たちが乗っているんでしょう。いずれにせよ私には縁がなさそうです。

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10月16日 (土)  イスタンブールのラマダン風景

ラマダン二日目、ガラタ橋下のカフェテリアで撮影しました。二人は親しい友人同士だそうですが、左の女性は煙草を吸いながらお茶を飲んでいるのに、右のスカーフを被っている女性は断食を実践中である為、何も注文していません。これでは只で座っていることになるものの、トルコの場合、ラマダン中に限らず店側が余りうるさく言うことはないようです。

ラマダン中は、食堂でも同様の光景が見られ、断食中の人と食事をしている人が和やかに談笑していたりします。調理師も含めて店の人が断食していることは珍しくないので、断食している人の前で食べることを気がねしていたら、何も食べられません。私も最初の頃は抵抗があったけれど、直ぐに慣れました。今では断食中の友人を前にして平気で食べています。

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10月17日 (日)  ナルギーレ(水ぎせる)

元来のナルギーレ(水ぎせる)は、トムベキと呼ばれる種類の葉煙草を巻いたものを使用します。私も一度吸ったことがあるけれど、結構強い煙草でした(日本のショートピースほどではありません)。10年ほど前でもナルギーレと言えばこれのことで、吸っているのはお年寄りばかり、扱っている店も限られていて若者には縁遠いものだったはずです。

それが最近、アロマという軽いタイプのものが登場し、これを吸いに来る若者達を対象にした店が至るところに出現。さらに、かつてはお年寄りの社交場だったような店にも若者の姿が見られるようになりました。左の写真はそんな店の一つで、これは未だラマダンが始まる前の様子だけれど、老人より若者たちの方が目立っていたように思います。また、老人たちも若者にならってアロマなんぞを吸い始めた為、トムベキはいよいよ廃れる一方。トルコの爺様たちは、「アロマなんて子供だましみたいなものが吸えるか!」などと頑固なことは言わないようです。尚、私はここ10年来、煙草を完全に止めてしまったので、アロマの方は吸ったことがありません。

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10月23日 (土)  イスタンブールのラマダン風景・その2

ラマダン月の断食は、夜明けから日没までの飲食を禁じるもので、日没後は親族が集まったり、友人たちを招待したりして盛大に夕食を楽しみます。

市などの行政当局はラマダンの間中、左の写真に見られるような簡易食堂を所々に設置し、無料で日没後の食事を振舞います。写真を撮った時は、日没まで未だ2時間ほど残していたから、人影もまばらだけれど、この1時間ぐらい後には長蛇の列が出現していたことでしょう。しかし、未だ日も高いこの時間、目と鼻の先にあるガラタ橋の下では、既にビールを飲みながら食事をしているトルコ人が沢山いました。

また、本来の趣旨は、貧しい人たちの為に振舞うものではないかと思いますが、並んで待っている人たちの様子を見ると必ずしも貧しい人たちばかりではないようで、中には日本人旅行者の姿も見られたりします。こういった外国からの旅行者は、遠い国から来たお客さんということで、別に断食をしていなくても歓迎してくれるそうです。

真中と右の写真は、有名なブルーモスクの前。色々な食べ物を売る屋台(有料です)がずらりと並び、日本の縁日のような賑わいを見せています。こちらは、日没40分ぐらい前に撮った写真。この「縁日」はラマダンの期間内に行われるものなんで、さすがに屋台も日没に合わせて準備しているようだし、腰掛けている人たちも場所を確保しているだけです。しかし、ここでも、「縁日」の場所から少し離れたところにある屋台では、もう食べ始めている輩がいて、これは完全なフライング。というより、元々断食はしていなかったのでしょう。イスタンブールのような都会ならでは光景かもしれません。

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10月24日 (日)  ファティフ・モスク

16世紀の創建という壮麗なモスクですが、訪れる観光客は滅多になく、敬虔なムスリムたちの信仰の場となっています。モスクのある区域はファティフと名付けられ、イスタンブールで最もイスラム色の強い街と言えるかもしれません。

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10月25日 (月)  境内の屋台

ファティフ・モスクの境内で見かけた屋台。左の写真は綿飴屋さん。屋台の造りは日本と全く同じですが、トルコにはザラメがないそうで、グラニュー糖を使っています。

真中と右の写真なんですが、これは何と言ったら良いのでしょう? 「手回しメリーゴーランド」とでも言えるかもしれません。右のおじさんが手に持っているのは携帯電話で、何処かから電話が掛かって来たようです。「メリーゴーランドを至急頼む」なんて、オーダーでも入ったんでしょうか? 

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