【250】日本との原子力交渉は続くが・・・【ミリエト紙】【2011.04.09】

前回に続いて、4月8日付けのミリエト紙より、メティン・ミュニル氏の記事を訳してみました。

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福島で起こった惨事は、トルコが日本と原子力発電所を交渉する上で、妨げにならなかったようだ。

エネルギー省は、シノップ県で建設が予定されている、4基の原子炉から成る発電所のために始められた交渉が、今月も続けられると言う。

「4月も継続を望んでいる。交渉を再開させたい」と関係者は語っている。

但し、私が知る限り、継続を望んでいるのは、日本側というより、我々の方である。

地震、津波、そして原子力発電所の惨事によって呆然としている日本は、交渉に臨むような雰囲気ではない。

アンカラの日本大使館には、今月、あるいは近々行われる交渉に関して、何の予定も伝えられていない。

しかし、トルコ側は強く働きかけている。おそらく政府は、選挙が近づいているから急ぎたいのだろう。

世界は、福島の惨事以降、立ち止まっている。撤退という状況さえ見られる。

ドイツ最大のエンジニアリング企業であるシーメンスは、原子力への意欲を諦めようとしている。

フィナンシャル・タイムスの報道によれば、シーメンスは、ロシア政府の原子力機構であるロサトムとの合弁から撤退する道を模索している。シーメンスは、2年ほど前、フランスの原子力企業アレヴァとの合弁を解消し、より広範なビジネスの可能性があると考えて、ロサトムとの合弁に踏み切った。

ロシアが、200億ドルの投資で、メルシン県アックユに建設を予定している原子力発電所は、ロサトムの傘下にあるアトムストロイエクスポートが施工する。発電所には、シーメンスの寄与も期待されていた。

2009年の3月、シーメンスとロサトムの合弁が始まると、世界は新しい原子力ルネサンスを迎えたように思われた。20年間で、400ヵ所の原子力発電所が建設され、これが1兆ドルのビジネスを生むのではないかと見られていた。が、これは既に夢となった。

交渉が再開された場合、日本の代表団には、一つ空席が生じるだろう。この席は、福島発電所の運営者であり、そこで続いた惨事の為に、大きな痛手を受けている東京電力のものだ。

東京電力は、もしも日本で地震が起こらずに、交渉が成立していたら、シノップ県の発電所を運営することになっていた。

「他の運営者を連れて来なければならない」と関係者は語っている。「自分たちで見つけるだろう」。

トルコと日本の交渉で、トルコ政府が対話してきたのは、プロジェクトのファイナンスに関する支援を取り付ける日本政府だった。日本の代表団には、東芝、伊藤忠、そして東京電力が入っていた。

アメリカのウェスティングハウスも所有している東芝は、世界最大の原子力技術企業の一つである。日本で稼働している原子炉の6割以上が、この企業によってもたらされた。

伊藤忠は、日本で歴史のある最も大きな商社の一つである。

東京電力は、アジア最大の電力会社だが、震災前に比べて、五分の一に価値が下がった。国営化、あるいは分割かという危機に直面している。

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原文
http://ekonomi.milliyet.com.tr/japon-nukleer-gorusmeleri-devam-edecek-ama-/ekonomi/ekonomiyazardetay/08.04.2011/1374929/default.htm
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