【249】原子力と虚偽は兄弟である【ミリエト紙】【2011.03.31】

3月31日付けのミリエト紙より、メティン・ミュニル氏の記事を訳してみました。

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福島原子力発電所で発生した事故から得られる教訓を話し合うため、6月にウィーンで国際会議が開かれる。この国際原子力機関(IAEA)が召集する会議では、事故の教訓、そして原子力の安全性を高めるために必要な対策が議論される。

EUでも同様の動きがある。

私は、こういった展開から、具体的な何かが得られるとは期待していない。原子力は、虚偽と秘密主義が支配する産業である。これを変える為には、透明性と独立した監査機構が必要だろう。そして、これは産業や政府にとって好ましいことではない。

EU委員会は、福島の事故発生以来、EU諸国の原子力発電所に対し、新たな整備を要求し、委員会の専門家による監査を受けるよう望んだ。しかし、各国はこれに反対している。“貴方は提案すれば良い。必要な監査は我々が行う”と言う。理由は説明するまでもなく明らかだ。何か問題が生じた際、対策を取るか取らないか、それを公表するかしないかについて拘束を受けたくないのである。

福島における事故で明らかになった最も重要な事実は、原子力発電所を運営している東京電力という企業が、発電所で必要とされる監査とメンテナンスを厳格に行っていなかったこと、隠蔽と虚偽を習慣のようにしていたこと、日本政府もこれに目をつぶっていたことだろう。

東京電力は、アジアで最大、世界でも4番目のエネルギー企業である。トルコ政府が、シノップ県で計画している原子力発電所の為に交渉している日本企業グループの一角を成している。もしも、契約に至って、日本が受注すれば、東京電力が発電所を運営する。これは恐ろしい。

しかし、東京電力は産業界において例外的な存在ではない。秘密主義と虚偽は広まっている。何故なら、原子力において真実を語ることは、政治的にも金銭的にも高くついてしまうからだ。

原子力は非常に高価なものである。一つの原子炉が50億ドルぐらいになる。しかし、常に稼働させれば、利益を生む。稼働を中断したり、閉鎖したりすれば、大変な損害を被る。その為、故障や隠せるほどの小さな事故であれば、運営企業の一般的な傾向は、外部へ情報を洩らさないこととなる。

これは、日本を含む多くの国々で例が見られる。ソビエトは、25年前、チェルノブイリで発生した災害が、隠し切れない規模になるまで隠そうとした。トルコでは、チェルノブイリが我々にどういう影響を与えたのか、全く明らかにされなかった。

原子力発電所を可能な限り、安全に稼働させる為には、非常に特殊な条件が必要となる。原子力は、政治的な意志やファイナンス、テクノロジー、エンジニアリングだけから成り立つものではない。説明責任と透明性に重きを置いた政治的なシステムが必要なのである。

国民が信頼できる、そして、この信頼に応えられる、健全な独立した機構がなければならない。発電所を運営する者と、これを監査する者は、高い壁によって遮られていなければならない。法規にも信頼性と透明性が要求される。建設基準も厳格なものが必要だ。

おそらく、ここに上げた条件を全て備えている国は何処にもないだろう。しかし、トルコには、何一つ備わっていない。政府がメルシン県の原子力発電所で契約したロシアにも備わっていない。

ロシアの原子力発電所では、隠し切れないほど大きな事故が起きない限り、何が行われているのか知るのは不可能である。それは閉鎖的なシステムだからだ。

シノップ県の計画で交渉している日本の状況は明らかである。さあ、祈り始めて下さい。

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原文
http://ekonomi.milliyet.com.tr/nukleerle-yalan-kardestir/ekonomi/ekonomiyazardetay/31.03.2011/1371271/default.htm

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