【232】アラブ諸国はイスラエルを必要としているのか?【ラディカル紙】【2010.06.05】

6月5日付けのラディカル紙より、テュルケル・アルカン氏の記事を訳して見ました。

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不思議なことだ。トルコは、ガザの為に、イスラエルと戦争に成りかねない状態なのに、アラブ諸国からは何の支持もない。それどころか、アラブ諸国の旗艦と目されているエジプトは、事実上、未だにイスラエルを支持している。ガザのアラブ人に対して、国境を閉ざしているからだ。

結局、アラブ人たちは、トルコが戦争してくれるのを待っているのだろう。何故? 我々が好戦的な民族だからだろうか?

しかし、これは真新しいことでもない。トルコ部族が中央アジアから離れて中東へ定住するようになった時もこうだった。アラブの諸侯たちは、敵から自身を守るため、トルコ部族の武力を利用したのである。そして、トルコ部族も軍事的な成功を重大な政治力に変えていった。エジプトでは政権を手に入れている。イラクでは、トルコ部族の武力を管理下に置くため、アラブのスルタンは、兵営のような街区を作らせ、トルコ部族がここに住むよう強制したのである。

ガザの封鎖はともかく、イスラエルの攻撃的で犯罪的な行動は初めてではない。イスラエルは建国以来(イスラエルを最初に承認した国の一つがトルコである)、“このアラブ人たちには武力しか通用しない”という考えのもとに行動してきた。

アラブ人たちは、時々、イスラエルと戦争してきたが、近年、戦争ではこの問題を解決できないという確信に至ったように見受けられる。最も強力なアラブ国家であるエジプトが、イスラエルを承認してしまえば、残りの連中にはもうやることがなかった。

しかし、エジプトのポピュラーな指導者ナーセルは、イスラエルに対して、いつもこんなにソフトではなかった。当初、イスラエルへかなり強気に出て、「地図から消してしまえ!」と吼えたのである。そして、イスラエルと対決した全ての戦争に敗北した。

その為だろう。al-Quds al-Arabi紙に掲載された次の記事を読んで、私はゾッとしてしまった。「イスラエルに対し、アラブ世界は二人の勇気ある指導者を得た。一人はガマール・アブドゥン=ナーセル、もう一人はターイプ・エルドアンである」。

民衆からポピュラーな支持を得られる権威的な指導者というのは、研究に値するカテゴリーに違いない。

さて、アラブ諸国は、何故、イスラエルに対して、非難以上の反応を見せないのだろうか? 恐れているのかもしれない。イスラエルは原爆を持っているのだ。これは冗談のつもりで言ったのではないが、単に恐れだけでは説明できない状況もある。私には多くのアラブ国家がイスラエルを必要としているように思える。

第一に、多くのアラブ国家とイスラエルの間には、非合法であるにしても、重要な商取引の関係がある。

第二に、多くの権威的なアラブの指導者には、政権を維持するため、強力で恐ろしい敵の存在が必要だ。これをイスラエルが演じている。

第三に、アラブ人たちが合意できる数少ないテーマの一つが反イスラエルである。共通の合意基盤を失いたくないのかもしれない。

第四に、一部のアラブ国家にとって、少なくともイスラエルと同じくらい危険な国は、イランである。イスラエルとイランのパワーバランスが保たれている間は問題ないということだ。

これぐらいで充分じゃないだろうか?

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原文
http://www.radikal.com.tr/Default.aspx?aType=RadikalYazarYazisi&ArticleID=1000798&Yazar=TURKER ALKAN&Date=05.06.2010&CategoryID=99

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