【223】ワシントンの変化【ラディカル紙】【2009.11.26】

11月25日付けのラディカル紙より、ハールク・シャーヒン氏のコラム。エルドアン政権に対するアメリカの見方が、何故、変わって来たのかが論じられています。

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最近になって、欧米のメディアでは、トルコが軸を移しつつあるのかどうかに関して、数多の記事が書かれている。その多くは旧来の紋切り型で見るべきものはないが、ワシントン・ポスト紙が昨日掲載した論説はこの類型に当てはまらない。欧米で、トルコへの見方がどのように変わってきたのか、興味のある人は読むべきである。

何故かと言えば、まずポスト紙がありきたりの新聞ではないからだ。“大統領が朝食のテーブルで読む新聞”と言われているが、これは今でも通用する。アメリカの外交政策機構に近く、世論を形成する要素の一つになっている。

諸方面のメディアが“今日、何があったか?”という問いに答えを探しながら、ニューヨーク・タイムスと共にワシントン・ポストに目を通すのである、論説を含めて。

昨日、弊紙にトルコ語訳が掲載されているので、その論説をここで要約しようとは思わない。初期にリベラルな改革を成し遂げたエルドアン首相の最近の転向を論じている。アメリカが近年まで、“悪の枢軸”とか“追いはぎ”と呼んでいたシリアやイランと密接に関わっていることを注視しているのである。スーダンの指導者バシールを擁護するために使った、「ムスリムは虐殺を行わない」というような常識外れの言葉を皮肉っている。ポスト紙がエルドアンを風刺し始めたのは注目に値するだろう。

特に論説は、エルドアン政権がメディアと社会を制圧しようと躍起になっていることを厳しく批判している。通話の盗聴に脅かされ、重い脱税の罪によってメディアが制圧されているにもかかわらず、トルコを民主的な国として世界へ示すのは不可能だと強調しているのである。

エルゲネコンに関して、最も詳細な調査を行った外国人ジャーナリストであるガレス・ジェンキンスが米国議会の委員会で発言したことが、先週報道された。ワシントンに赴いたトルコのジャーナリストも、エルゲネコン捜査に関する態度が明白に変わったことを記している。ポスト紙の論説にも、その影響が見られる。

何が起こっているのだろうか? アメリカ、そしてポスト紙は、エルドアン政権に対する見方を何故変えたのだろうか?

エルゲネコン捜査が始まった段階で、欧米、特にアメリカがこれを支持した要因に、トルコの地政学的な位置があることを、私は度々指摘してきた。

非常に異なる地点から来たとしても、この捜査の対象になり、排除されることが望まれた者たちの共通点は、“ユーラシア志向”にあった。ほぼ全ての被疑者たちは、トルコがNATOとEUに基づく西欧陣営から離脱してアジアに接近すること、例えば、イラン−ロシアの軸に移ることを主張していた。

軍部の中でもシンパを得た、この国粋的な思想が、単なる政権へのクーデターに留まるものじゃないことは、アメリカや西欧が到底容認できるリスクではなかった。その為に、エルゲネコン捜査を支持していたのである。

しかし、その後、何が起こっただろうか? ユーラシア志向分子を排除する為に支持を得た政権自身が、彼らにとって不都合なことを始めたのである。例えば、核兵器の所有が危惧されているイランを弁護し、プーチンと独自な関係を築こうとしている。イスラエルに反発した・・・バシールへの支援はおまけである。

アメリカには、「ケーキを食べてしまったうえで、ケーキを手に持つことは出来ない」という諺がある。ポスト紙の論説を要約すればこうなるだろう。エルドアン首相は、ワシントンを訪問中、この言葉を何度か聞くことになると思う。

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原文
http://www.radikal.com.tr/Default.aspx?aType=RadikalYazarYazisi&ArticleID=966091&Yazar=HALUK ?AH?N&Date=25.11.2009&CategoryID=98

http://www.radikal.com.tr/Radikal.aspx?aType=RadikalHaberDetay&ArticleID=965867&Date=24.11.2009&CategoryID=99

Slipping in Turkey
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/11/22/AR2009112201602.html


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