【214】クルド語の教育【ラディカル紙】【2009.09.02】

9月1日付けのラディカル紙より、オラル・チャルシュラル氏のコラム。チャルシュラル氏は、クルド語の教育を認めようとしないCHP(共和人民党)の党首デニズ・バイカル氏を厳しく批判しています。

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CHP(共和人民党)の党首デニズ・バイカルは、クルド語の教育について、政府の関係者が明らかにしている幾つかの見解を聴いて我慢がならなくなった。「クルド語の教育は、我々が守るべき一線を越えている。これを話し合う為なら来ないでもらいたい」と言い、政府が示した問題解決への努力に対して、その態度を明らかにした。

バイカルは、クルド語を選択科目に取り入れた場合、これがその内に必修科目となり、ひいてはトルコの分割へ向かう道標になってしまうと言うのである。

ある人たちは、CHPとMHP(民族主義行動党)も加わらなければ問題解決へ前進できないから和解が必要であると言い、政府がCHP・MHPと対話しながら和解することを勧めている。

実際、CHPとMHPの支持が得られれば、解決は容易になるだろう。ここでもたらされる合意は、この重く深い傷を癒すために大きな力となるかもしれない。

しかし、「クルド語の教育は許されない」と言うバイカルは、解決に貢献できるだろうか? 果たして、このバイカルとどうやって和解できるのか? バイカルの態度は、かつてキプロス問題に対し「未解決が解決である」と言い放ったデンクタシュとその取巻きの態度に良く似ている。

私は、バイカルがあの地域の現実を解っていないのではないかと思う。クルド人の母語はクルド語である。我々が長年に亘って存在を否定した民族の言語はクルド語なのである。クルド人はトルコだけに住んでいるわけではない。イラクには、クルディスタンという自治区がある。イランにもシリアにもクルド人は存在している。隣接した国々で暮らし、同じ歴史を共有している。

帝国主義者たちは、第一次大戦の後、クルディスタンを四つに分割した。我々の立場はともかくとして、現実を話すことにしよう。北イラクのクルディスタン自治区には、クルド語で教育を行なっている大学がある。トルコの大学に受からなかったクルド人子弟の一部はクルディスタンの大学へ入学し、彼らの母語によって教育を受けている。ところで、興味深いのは、イラクのクルディスタン自治区には、トルコ語で教育を行なっている学校もあることだ。クルディスタン政府は、トルクメン人の母語に配慮している。

今日の世界情勢の中で、数百万の人口を有する民族の母語を選択科目としても認めないのであれば、現実に歯向かっていることになるだろう。この態度で和解に至ることはできない。和解すれば未解決を主張することになる。トルコの分割を唆しているのは、この態度であることを我々は理解しなければならない。

長年の間、あらゆる民主的な権利を、“分割されてしまう”と言って頭から否定し、歴史上最も長きに亘った流血のクルド人反乱を招いたこの思考形式が通用するところはもう何処にもない。残念なことに、バイカルは全く無意味な抵抗を代表する立場に陥ってしまったのである。

数百万のクルド人に対し、「お前たちの言語を選択科目に認めることはできない。認めれば分離主義者になるだろう」と発言することが、この民衆の名誉を傷つけているのを理解しなければならない。バイカルはディヤルバクルの街角を歩いてみると良いだろう。あの街角でこの発言を繰り返したら、それが全く現実に合っていないことに気がつくはずだ。ディヤルバクルまで行きたくないのであれば、ディヤルバクルやあの辺りの出身であるCHP党員と話してみるだけでも、状況を理解できるだろう。

既に我々は新しい時代を迎えた。クルド人の母語を発展させ、これを守ることは、この国家の責務に数えられる。彼らはこの国の同胞であり、母語の使用は最も基本的な人権の一つである。

「クルド人は望めば彼らの母語を使うことができる」などとバイカルやその同調者たちは言う。鳥じゃあるまいし、ずっと同じ言葉をさえずっているわけには行かないから、その言語を発展させ、クルドの民謡や音楽を豊かなものにしたいと彼らは望んでいるのだ。国家はそれが可能になるよう努めなければならない。

バイカルが委員長を務めていたSHP(社会人民党)は、1990年に作成したクルド・レポートで次のように主張している。

「・・・人々が母語を話し、これを教え、この母語によって文化的な活動を行なうことは保護されなければならない。この言語による放送を可能にし、異なる文化や言語の為に研究施設を造るべきである。その目的は、いつも人間性を優先させて、国民同胞がエスニック・ルーツや宗派の違いから蔑ろにされることのない社会秩序を実現することである」。

19年前にこう主張したバイカルを、その辿り着いた地点において、また別に検証する必要があるように思える。

もちろんクルド語は、クルド問題の一つの局面に過ぎない。しかし、それは基本的な局面である。

緊急課題は、クルド問題から武力を取り除くことだ。バイカルは、クルド語さえ認めない態度で、この問題にどうやって解決を見出せると考えているのか。「こちらへ来て降伏しろ。さもなければ、我々が出かけて行って打ち倒してやる」などと言い、25年間も試みたあげく破綻してしまった政策を主張し続けている。

トルコは非常に重要な過程の中にいる。クルド問題に対して真摯な一歩を踏み出さなければ、その時こそ、トルコは重大な分割の危機を迎えることになるだろう。

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原文



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