【173】イスラム主義者の勝利か?【ラディカル紙】【2007.07.25】

7月25日のラディカル紙より、トュルケル・アルカン氏のコラム。アルカン氏は、先般の総選挙におけるAKP(公正発展党)の勝利が決してイスラム主義によるものではないことを明らかにしています。

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「ケマリストに対するイスラム主義者の勝利」。多くの外国メディアが先日の総選挙をこのように伝えた。しかし、トルコでの雰囲気は全くそれと異なっている。私が見たところ、誰もAKP(公正発展党)を“イスラム主義者”の範疇には入れていない。AKPとエルドアンも、そう見られないよう最大限の努力を払った。“ショーウインドー”を飾る為にトレードされた候補たちも、イスラム主義者のイメージを消そうとした努力の表れだ。AKPは、選挙活動中、“宗教”“スカーフ”といった話題を避けることに神経を使った。

これと逆のことを行なっていたら、つまり、AKPの指導者たちがイスラム主義の原則に基づく選挙活動を行ない、例えば、「大学の学長たちはスカーフを被った女性に敬意を示せ」と呼びかけたり、「モスクは我々の兵営だ」などと謳ったり、イスラム経済やらイスラム市場について語りながら“政教分離主義”を非難していたら、あの成果を得ることが出来ただろうか? 私は全くそう思わない。

こういった状況で、「イスラム主義者がケマリストに対して勝利した」と言うのは無意味なことだろう。

選挙に勝利した後、エルドアンが行なった演説も、そこへ向けられた疑念を払拭しようとするものだった。エルドアンは、憲法に謳われている共和国の原則、そして、当然のことながら政教分離主義に準ずる旨を力説していた。選挙の結果を評価する際、この演説の内容に注意する必要がある。

エルドアンが野党陣営のリーダーらに呼びかけ、過去の争いは忘れよう、新しいページを開こう、と言ったのは素晴らしい、時宜を得たエールの送り方だった。願わくはそのまま続けてもらいたい。

前回の総選挙におけるAKPの勝利は、“その場限り、フロック”と見ることも出来たが、今回の二度目の勝利を目の当たりにして、もはや誰もAKPを一時的な現象と見ることは出来ないはずだ。それどころか、中央のポジションを占め、機構化を図りながら、おそらくかなり長期間に亘ってトルコの政界で勢力を張ることになるだろう。

機構化というのは、党が特定の人物の影響下にある状態から脱することである。デミレルが去ったDYP(正道党)、オザルが去ったANAP(祖国党)が崩壊してしまったのは、これらの政党が機構化されていなかったからだ。政党の機構化は短期間に成し得るものではない。欧州の政党は、その多くが長い年月に亘って存在を維持した組織と伝統によって成り立っている。その機構化された構造は、民主主義の機能へ大きく貢献するものだ。

我国では、政党が長続きしない為、機構化されることもなかった。これは民主主義が機能する上で障害となり、センセーショナルな出来事や政治危機をもたらすことになる。

ふと思い出したことだが、二人の元娼婦が立候補したことがあった。どのくらいの票を得たものだったろうか? 今回の選挙は、候補者の多様さを見ても、なかなか面白く賑やかだった。社会において、個の確立が進んだ影響もあったに違いないと私は見ている。

さて、この多様さは議会にどう反映するのだろう?

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原文
http://www.radikal.com.tr/haber.php?haberno=227914


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