【164】イスタンブールのレズビアン・バー【ミリエト紙】【2007.01.08】

1月7日のミリエト紙日曜版よりアスル・チャクル記者のレポート。イスタンブールにオープンしたレズビアン・バーを取材した女性記者3人の記事の中から、アスル・チャクル記者のものを訳してみました。

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レズビアン・バー(本人たちはレディース・クラブと呼んでいる)が登場したと聞いて、これは是非取材しなければと思った。
そして、私たちがそういうクラブへ行くことを知った男性記者たちとの間に、同じような会話が繰り返された。
「俺たちも行くよ」
「ダメよ、男は入れないんだから」
「かつら被って髭剃って女装して行くよ」

実際、経営者のベンギュさんによれば、オープンした時に、入口のところで待っていて、中へ入りたがった男たちがいたそうである。

男性諸君に最初から断わっておくが、そこで何やら奇妙なアトラクションが行なわれているわけではない。あなた方が映画で観たようなタイプのブロンズで大きなバストをした、キスして愛撫し合う女たちなど何処にもいないのである。

とにかく、私たち若い女性記者3人はこうして出発した。飾り鉄格子のついた窓から声を掛けてくる“オカマたち”のいる裏通りを抜けて、目指す“Bigudi”に到着する。

サバヌルとアイリーンの両記者も、彼女たちの体験を書いているが、アイリーンはなかなかモテていたし、サバヌルは緊張気味だった。私はと言えば、黒のタンクトップにポケットが沢山ついたパンタロン、短めの前髪で直ぐに周囲へ溶け込むことができた。

クラブの中には、アメリカのレズビアン・バーで見られるような、アップテンポのダンスに興じる帽子をかぶったちょっと太めの女性たちもいた。そして、綺麗に着飾った者も少しはいたが、短髪のパンタロン姿が殆どだった。

ここで店について少し説明しておこう。Bigudiは夜11時に開店する。ワインとウォッカ・アップルが10YTL。クラブ内には丈の高いテーブルが設置されている。

これまた経営者のベンギュさんから聞いたことだが、ここ2週間にかけて土曜日は一杯になったそうである。また、金曜日と土曜日の晩には、ゴーゴーガールも踊っているそうだ。これは、そう聞いただけで、実際に見たわけではない。というのも、私たちは12月30日、つまり犠牲祭と新年が訪れる一日前に行った為、いくらか空いていたし、イベントもなかったのである。しかし、私がそのまま引き下がったわけではない。

ホステスのところへ行って、「ダンサーの娘は何処?」と訊いたら、この日は来ないという返答だ。私はむくれたようにして「そんなあ、残念だわ」と食い下がった。すると間もなくベンギュさんが来て、「なんとかしてあげる」と言い、10分後には“G-string”の上にピカピカの細いミニショーツを着て、高いハイヒールのブーツを履いたダンサーの娘が入ってきた。その娘がカウンターにあがってショーを見せ、15分するともう一人来てカウンターへあがった。ベンギュさんが近寄って来て、「どう良いでしょ?」と訊いたばかりか、彼女自身もカウンターにあがってショーを見せてくれた。これほどまでお客に気を使ってくれる店は見たことがない。

夜中の2時を過ぎて辺りが静かになると、私たちを上のフロアにある“男女用のゲイ・クラブ:Be Club”へ誘ってきたので、皆して行くことにした。どういうわけか、下のフロアではお喋りしていただけの女たちが、男もいる中へ入ると、お互いに抱き合ってキスしながら踊り始めたのである。私たちはどうしたか?

50cmほどの高さで1uぐらいの広さがある舞台に上がって3人で踊っていたところまでは覚えている。それからもう一人仲間ができたらしい。

帰ろうとした私たちを「ダメよ」と言いながら引きとめようとしたベンギュさんに、私は自分たちが何者であり、何の目的で訪れたのかを話した。彼女は“いけない子たちねえ”と言うように指差し、私の耳元へ囁いた。「巧く騙したわね。皆、貴方たちのことを訊いてきたのよ。私たちも新しいお客が来てくれたと思って喜んでいたのに。どう、また来るでしょ?」。

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