【123】債務の不履行は可能か?【ラディカル紙】【2005.03.20】

3月17日のラディカル紙より、マーフィ・エイルメズ氏のコラム。アルゼンチンの債務不履行の決定に関連して、エイルメズ氏はトルコの債務状況を説明しています。

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ロシアがモラトリアムを宣言し、アルゼンチンが債務の不履行を決めたことで、私たちの頭もすっかり混乱してしまった。

ロシアは、債務がソビエトに生じたものであることを理由にその履行を拒否したが、これにより「私たちは何の為にオスマン帝国の負債を一文残らず返済してしまったのか?」ということが一時話題になった。この話題はじきに下火となり忘れ去られたものの、今度はアルゼンチンが別の理由を掲げて債務の不履行を決定すると、これがまた再燃し、「私たちもアルゼンチンのように現行の債務を履行しなければ良い」という見方が現れた。

しかし、私たちが如何にオスマン帝国の負債を自ら進んで返済したかのように説き明かしたところで、実際はそうでもなかったのである。この債務が履行されることは、ローザンヌ条約における基本的な条件の一つだった。債務が履行されていなければ、私たちはローザンヌで手に入れたいくつかの成果を失っていただろう。つまり、私たちは債権を持つ国々と平和条約を交渉していたわけで、債務の履行は条約の一部を成していたと言える。

ロシアの場合、こういった条約を結ぶ必要は何処にもなかった。ソビエトが崩壊した後、ロシアはソビエトの負った債務と自分たちが無関係であることを表明し、モラトリアムを宣言する。

一方、アルゼンチンの状況は興味深いものだ。20世紀の初頭に世界で7番目の経済を誇っていたアルゼンチンは、その後、衰退を続けて今日の状況に至った。アルゼンチンにもう進む道は残っていない。これから新しい道を切り拓けるのかどうかが焦点となっている。

国家が倒産するということはないが、世界銀行副総裁アンネ・クリューゲルの提唱する国家倒産制度が実現すれば、アルゼンチンは既に倒産した国家ということになっていたはずだ。アルゼンチンの債務は、その殆どが対外債務だったから、不履行の決定により、国外の債権者が影響を受けたのである。

トルコの場合、その多くを対内債務が占めている。国が抱える2250億ドルの負債のうち、1800億ドルは国内からであり、国外は750億ドル。その内の215億ドルはIMFからのものだ。

対内債務の76%は市場、つまり銀行や民間の機関及び個人に対するものである(国営銀行も市場における機関と見なした。市場のシステムに従って動いているからだ)。残りの24%は、中央銀行も含む公的機関からとなっている。

債務の履行を拒否、あるいは延期すれば、市場における1350億ドルの債権者は債権を回収できなくなってしまう。1350億ドルの内訳は、500億が銀行、850億はそれ以外だが、債務が不履行もしくは延期となった時に、銀行は次のように言い出さないだろうか? 「預金者の皆さん、国が貸金を返済してくれないので、うちは皆さんの預金を支払うことができません」もしくは「国が返済を10年延期したように、うちも皆さんに対して10年延期することにします」。また、銀行以外の850億ドルの債権者たちも、同様の理由を申し立てて、銀行に対する債務を履行しないことも可能ではないのか?

こうなった場合、事は思ったように行かない。つけは、銀行以外の民間、そして個人にまわって来てしまうだろう。

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